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フィリピンでの医療機器製品登録・認証 |バイオメディカルジャパン株式会社

フィリピンでの医療機器製品登録・薬事認証方法

フィリピン国内で製造された医療機器および輸入品は、食品医薬品局(FDA)の機器規制放射線健康研究センター(CDRRHR)に登録する必要があります。クラスA医療機器の登録は現在、「電子通知ポータルシステム」と呼ばれるオンライン医療機器登録システム(e-notification portal system)を介して処理され、クラスB、C、D、IVD医療機器の登録は電子メールを通じて送信および処理されています。

フィリピン FDA 医療機器 登録 方法

フィリピンで医療機器を登録する資格要件

フィリピンで医療機器を登録するためには、企業はまず医療機器製造販売代理店(MDDC)として販売業許可書(LTO)を取得する必要があります。販売代理店のステータスには、輸入業者、輸出業者および卸売業者が含まれます。LTOは電子ポータルシステムを介して申請することができ、承認されるとFDAによって許可証が発行されます。

現在、販売業許可書(LTO)を申請できるのはフィリピン現地企業のみです。したがって、外国の製造業者がフィリピンで医療機器を登録する方法は3つあります。

現地に子会社を設立する

現地子会社が当該医療機器を登録します。外国資本が40%を超える国内企業は、最低資本金20万米ドルを必要とし、設立プロセスも複雑で時間がかかる可能性があることにご注意ください。

現地のディストリビューターを選定する

フィリピンで販売業許可書(LTO)を持つディストリビュータが医療機器を登録します。

独立した第三者の業者を選定する

バイオメディカルグループのようなパートナー企業が医療機器を登録します。バイオメディカルグループは、代理店および輸入業者として運営する完全に認定された販売業許可(LTO)を有しており、外国の製造業者のフィリピン国内代理店としての役割を果たします。

または、バイオメディカルグループのようなパートナー企業が、販売業許可を有する現地のディストリビュータに代わって医療機器を登録します。この選択肢は御社が利用する現地のディストリビュータが社内に薬事関連サービスを有していないケースにおいて有効です。

フィリピン 医療機器 パートナー 登録

御社が製品の流通戦略を選択し、またパートナーとなる現地企業が有効なLTOを有してていることを確認出来た後、同企業がフィリピンFDAのCDRRHRに医療機器を登録するステップに進みます。

ASEAN医療機器指令(AMDD)の調印国であるフィリピンでは、クラスB、CおよびDの医療機器製品登録の際に、ASEAN統一申請様式(CSDT)に沿った書類提出が必要です。CSDTは電子メールを使ってオンラインで送信する必要があります。クラスAの医療機器に関しては、e通知ポータルシステムを介してe通知を受ける必要があります。

当該医療機器がそれぞれ通知またはクラスに従って登録されると、フィリピンFDA のCDRRHは医療機器登録証明書(CMDN)、医療機器登録証明書(CMDR)、またはマーケティング承認または製品承認ライセンスとして機能する製品登録証明書(CPR)を発行します。

フィリピン 医療機器 登録 代理店

CMDN、CMDR、CPRまたは製品承認ライセンスを受け取る会社は、製品許可保持者(Product License Holder)とも呼ばれます。フィリピンでは製造業者とサプライヤー(輸入業者/輸出業者/卸売業者)との間の合意が非独占的である場合、異なるディストリビュータ・ライセンス保有者による医療機器の複数登録が認められています。

契約/譲渡証書の失効後、一方のディストリビュータ・ライセンス保有者からもう一方のライセンス所有者への製品承認ライセンスの所有権の変更または譲渡が許可されます。そして製造業者と新しい輸入者・販売代理店との間の契約が締結され、製品承認ライセンスの原本が新しいディストリビュータ・ライセンス保有者に付与されます。

一方、フィリピンでは、既存の製品ライセンス保有者が販売権の放棄を望まない場合、メーカーがこれを入手するのは困難でコストがかかるため、メーカーにとっては製品ライセンスホルダーとして独立した立場にある第三者を任命するという選択肢の方が利点が大きいかもしれません。

フィリピンの医療機器のクラス

フィリピンでは、ASEAN医療機器指令(AMDD)に基づき、医療機器をリスクの観点から以下の4つのクラスに分類しています。

クラス リスク
クラスA 低リスク
クラスB 低から中程度のリスク
クラスC 中程度から高リスク
クラスD 高リスク

当該医療機器がどのクラスに当てはまるかで、製品登録に必要な書類の要件事項が決定し、医療機器のクラスが高くなるほど、登録申請をする際に求められる書類の情報量も増加します。 体外診断(IVD)医療機器は、登録可能なものと登録不可能なものとに分類され、現在、登録可能と考えられているIVD医療機器は以下の8種類のみとなっています。

  1. HIV(抗体および/または抗原)、HBV(HBsAgおよび他のマーカー)、HCV(抗体および/または抗原)および梅毒キット
  2. THC/マリファナ、シャブ/MET、コカイン、ベンゾジアゼピン、エクスタシー/MDMAおよびアヘン/モルヒネの単一・複合薬物スクリーニング試験キット/試薬
  3. 抗A、抗B、抗D、抗AB血清
  4. 抗ヒトグロブリン試薬
  5. 酵素、LISS、アルブミンなどの増強剤
  6. クロスマッチおよび血液型判定のためのカラム凝集試験
  7. 妊娠検査キット・試薬
  8. レプトスピラ症テストキット・試薬

フィリピンにおける医療機器のグルーピング

現在、フィリピンでは製品のグルーピングは行っておらず、特定の医療機器ごとに別々の申請書を作成する必要があります。 以下の条件に当てはまる場合、製品を一度に申請することが出来ます。ただし、登録製品ごとに別々の証明書が発行されます。

  1. 付属品が存在し、その付属品を別々に販売することを意図している医療機器。
  2. 異なる製造工場で製造された同一メーカーの製品で、フィリピン市場で同時に販売する医療機器。
  3. 医療機器システムで、一部分を使用するとその他の部分または全部分を一緒に使用する必要があるもの。
  4. 使用目的および製造工程が同じで、原料が1つまたは複数異なる医療機器。
  5. 同じ用途と製造プロセスで、設計が異なる医療機器。
  6. 同じ原材料を持つ一方でタイプや形状が異なり、使用目的も異なる医療機器。

フィリピンでの医療機器登録プロセス

クラスA医療機器は、E-通知ポータルシステムを介してオンラインで提出、クラスB、C、D、およびIVD医療機器は電子メールで送信します。医療機器製品登録申請書の提出は、FDA2020-026号に記載されているガイドラインに従うものとします(この枠組みはCOVID-19パンデミックを踏まえて発行されたもので、今後の状況に応じて修正される可能性があります)。

クラス A の医療機器に関しては、電子通知ポータルで求められた箇所を入力し、必要書類をアップロードすると、支払いの指示が表示されます。登録者は5営業日内に支払い処理を行う必要があります。

クラスB、C、D、およびIVD医療機器の場合、登録者が電子メールで承認確認を受け取った後に支払いを行います。そして支払い証明を電子メールで送信することで申請が正式に受理されます。各ディストリビュータのライセンス保有者が申請を行うスケジュールおよび回数には制限があります。

フィリピン 医療機器 登録 プロセス

フィリピンで医療機器を登録するのに必要な書類

フィリピンで医療機器を登録するには様々な書類が必要であり、体外診断ではリストが異なります。申請書提出に受け付け可能な言語は英語です。 一般に、デバイスの説明、事前臨床試験、デバイスのラベリング、使用手順、リスク分析、および既存の薬事承認または販売承認、およびISO 13485の製造業者コンプライアンスを提出する必要があります。

放射線を含むまたは照射する医療機器や、ワイヤレス接続機能を備えた医療機器など、製品によっては、FDAによる個別の許可や、他の政府機関への登録が必要です。また、フィリピン政府認定のラボで現地試験を受けなければならない製品もあります。

医療機器の分類 提出のスケジュール 最大提出可能書類数
クラスA 毎日 制限なし
クラス B、 C、 D、 IVD 木曜日は会社名が数字もしくはA~Mの文字で始まる会社
・金曜日は会社名がN~Zの文字で始まる会社
所定の曜日につき5つの初期または更新申請および2つの一変申請・変更通知

前述のように支払いが行われると、FDA CDRRHRは正式に申請を受領し、評価プロセスが始まります。すべての書類がが要件事項を満たしている場合、FDA CDRRHRは、一般的に販売許可として知られているCMDN/CMDR/CPRまたは製品承認ライセンスを発行します。

一方で、もし提出された文書が要件を満たしていないとFDA CDRRHR が見なした場合、追加の文書を要求する場合があります。その後FDA CDRRHRは提出物の再評価を行い、問題が無ければ販売許可が発行され、不備があった場合は提出が却下されます。

標準的な費用および時間軸

新しい医療機器の登録、更新、一変申請、変更通知ごとに手数料を支払います。料金は非課税です。

通常、新規の医療機器登録には6ヶ月~9ヶ月かかります。追加の文書を提出する必要がある場合、提出準備期間として30日が与えられます。FDA CDRRHRは、約3ヶ月以内にコンプライアンスの評価を行うため、合計のタイムラインをおよそ9〜12ヶ月になります。追加書類の提出には手数料はかかりません。登録更新の場合、一般的なタイムラインは3〜6ヶ月です。

医療機器およびIVDの新規登録
クラス 手数料(1%のLegal Research Fundの手数料を含む) タイムライン
CMDN (クラス A) PHP 7,575 1-2 ヶ月
CMDR (クラス B、C、および D) PHP 7,575 6-9 ヶ月
CPR (IVD) PHP 1515* 6-9 月**

* パフォーマンス評価テスト費用は含まれません。テスト費用は対応する国立基準研究所(NRL)に依存します。

** NRLによる性能評価試験を含まない(国立基準研究所)

医療機器およびIVDの更新
クラス 手数料(1%のLegal Research Fund手数料を含む) タイムライン
クラス A PHP 5,050 1-2 ヶ月
クラス B、C、D PHP 5,050 3-6 ヶ月
IVD PHP 5,050* 3-6ヶ月**

* パフォーマンス評価テスト費用は含まれません。テスト費用は対応する国立基準研究所(NRL)に依存します。

** NRLによる性能評価試験を含まない(国立基準研究所)

医療機器およびIVDの一変申請/変更通知
クラス 製品/変更ごとの手数料(1%のLegal Research Fund手数料を含む) タイムライン
クラスA PHP 510 1-2ヶ月
クラスB、C、D PHP 510 1~2 か月
IVD PHP510 1-2ヶ月

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